SNS の価値はソーシャルグラフ
SNS には逆風が吹いているなと思う。ここで SNS は Facebook と Twitter くらいの意味。Pixiv とか入れだすとたぶんおかしくなる。
同時に、前にも書いたけど広告ビジネスモデルへの風当たりも強くて、SNS が広告ビジネスモデルで成り立っているのはみなさんもご存じの通り。だから SNS が今まで通りの機能だけで今まで通りに存続し続けるのはとても難しそうだと感じる。僕は SNS の運営には携わっていないので完全に部外者だけど、きっと当事者の焦りはもっと前からあったことだろう。
とはいっても、 SNS はインフラとして機能し続けるだろう。もうテレビみたいなものになっているといっても過言ではないし。僕自身、SNS から距離を取ると言ったけれど結局 Facebook も Twitter も LINE も Instagram も何一つやめてない。一時期アカウントを消そうかまじめに悩んだけど、最近はアカウントを残す決意をしたのでアカウントは残っている。
なぜ残しているのかというと、そこには再現性のないソーシャルグラフがあるからだ。Facebook や Twitter のタイムラインが見たいわけでも、誰かの生活をのぞき見たいわけでもない。だけど Facebook の友達も Twitter のフォロワーも、自分には他の場所でつながりを再現する方法がない。思いつく方法はいくつかあるけど、どれも現実的ではない。
だから「つながっている」という事実に価値を感じてアカウントを消さないでいる。
Twitter の最近の方針
そもそもなんでこんなことを書きたいと思ったのかというと、今日フォロワーが 600 人以上のアカウントに Twitter の新機能 Spaces が解放されたからだ。
このアカウントが Spaces が使えるようになったっぽい。https://t.co/57w63BqYN7
— Undefined 515hikaru (@515hikaru) 2021年5月3日
Twitter の最近の活動が既存のビジネスモデルの転換を狙っているのは明らかで、僕は歓迎している。
もう一度書くけれど、Twitter という場所には僕にはもはや何の価値もない。人々が怒り狂っていたり何もかもを茶化して誤魔化しているのを観察するだけの場だ。何年も同じものを見てきて面白いと感じる要素はもうない。
Twitter のタイムラインに価値を感じない以上、僕は Twitter の顧客ではありえなかった。なぜなら広告が出るのはタイムラインのみで、彼らの収益の源はタイムラインにあるからだ。
特にリツイートという機能は最高で最悪の機能だ。リツイートがない Twitter は Twitter ではありえなかっただろうけど、同時に Twitter をどうしようもない場にしてしまった最悪の概念だと思う。
しかし Spaces の発表、Revue の買収、スーパーフォロー構想など、Twitter は変わっていこうとしてる。現に変わっている。保持しているソーシャルグラフをビジネスへ活用し、広告ビジネスではない収益源を作る過程にある。これは Twitter の資産があるから魅力が増す内容だと思う。
ということで、僕は今後の Twitter にひっそりと期待しているし、アカウントは残して自動ツイートくらいは継続して存在しているアピールくらいはほそぼそとしようかなと思っている。もうタイムラインを見たいとは全く思わないけれど。
2021 年の動き
あんまり詳しくないけど、Facebook も Podcast への(Spotify と共同での)参画や Clubhouse の競合アプリを作るなど策を打っている。今年になってこういう動きが多いのは、パンデミックの影響とか、誰とは言わないけど某国のとっても偉かった人とかのせいで SNS の負の側面が強調されたのが 2020 年に起きたからじゃないかと思う。広告収入も減っただろうし。
だから新しいビジネスモデルを構築しましょう、新機能にフィーチャーしていきましょう、というのはとても自然な流れだと思っている。SNS はなくならないし、なくしてほしいと思ってもないけど、こうやって変化していくこと自体は歓迎すべきことじゃないかと僕は思っている。
ンな新機能要らないよって一蹴する人もいるだろうしそういう人は声が大きいから目につくけど、それこそ Twitter の悪いところが前面に出ているよな。声がでかい人の声だけが多くの人に届く。多くの人が文句を言う以前にそもそも新機能が増えたなんて気づかないのにさ。
ともあれ、楽観が過ぎるかもしれないけど、少しは楽観ができるというのがそれだけで嬉しいね。まだしばらく SNS のアカウントは残しておくことにしよう。誰か相手が見つかったらそのうち Spaces で配信するかも。