Diary over Finite Fields

515ひかるの日記と雑文

2024年読んだ本

2024年は月に1回だけ更新という制限がついていたので、2025年に2024年読んだ本のリストを更新する。

去年は75冊だったらしい。今年は45冊。転職、引っ越しなどいろいろあったので減っているのは妥当な感じがする。

ピックアップ

一応、この記事は2024年の振り返り記事なのでリストを公開するだけではなくてピックアップして一部を紹介しようと思う。

はじめての人の簿記入門塾―まずはこの本から!

諸事情で会計とか仕訳とかについてわからないといけなかったんだが、わかるために勉強しないと全くわからなかったので読んでみた。

簿記から学んだのは、会計を勉強したことある人からすれば順番として変な感じもするだろう。

ただ個人的にはやってみた結果、仕訳を一応機械的にできることでその後の会計の本の理解がスムーズだと感じた。

そして、仕訳ってとてもすごいと思った。この世にはありとあらゆる取引があると思い込んでいたが、本質的には仕訳で表現できる程度のパターンしかない。これはとてもすごいことではないだろうか。

僕の人生という観点からは、会計的なものの見方は株式会社に所属して生きる上で非常に重要であるという確信を得た。2024年の大きな収穫のひとつだと言っていい。

ということでこの本を最初にピックアップした。

占領と改革―シリーズ日本近現代史〈7〉 (岩波新書)

日本には岩波新書がある。

日本近現代史シリーズはとても面白かった。

僕は近代が好きなので、もちろんそのバイアスはあると思う。しかし、日本の「占領期間」というふわっとしたイメージ——GHQによる統治、日本国憲法などの民主化政策——が、つぶさに見ると実は史実とは異なる可能性が提示される。これはいまを生きている日本にいる人は全員に関係することなのではないか。

序盤の、日本の敗戦はドイツの敗戦とは違う、という時点でもう面白い。ドイツはヒトラーが最後まで形式的には権力を掌握し、敗戦を受け入れる意思決定を最後までできずにベルリンまでソ連軍が来てしまった。

しかし日本は1945年2月時点で軍事強硬派の政権は倒れており、敗戦を受け入れることが東京に米軍やソ連軍が地上侵攻する前にできた(これが8月のポツダム宣言の受諾につながっていく)。

政権を保った状態で敗戦ができた日本だからこそ東西にも南北にも分断されず、少なくともこの列島はひとつの国として成立し続けている。そう思うと、先人たちの努力に敬意を表さずにはいられない気持ちになる。

技術革新と不平等の1000年史

今年読んで一番良かった本はこれだろう。

最初から最後までずっと面白い。技術革新が社会全体の生産性を向上させる(生産性バンドワゴン)という考え方は歴史を見ると誤りであることを示す(技術革新の影響で、労働者が貧乏になったこともある)。

その上で本書では、ではどのような条件がそろえば労働者の生活水準の維持と技術革新とを両立させることができるのかに考えをめぐらせる。

単に資本主義とか新自由主義とレッテル張りしてまとめて批判するだけでもない。

学術書だが、上巻のスエズ運河とパナマ運河のエピソードだけでも十分面白い。そこはストーリーなので、そこだけでも読むとたぶん何かを理解することができると思う。

2024年読んだ本一覧

順番は読み終えた順。

読了日が今年というだけで昨年から読んでいた本もあるし、上下巻などシリーズものも各巻で1冊と数えている。

読んだといっているけど、実は大して読んでないものもある。

  • The Power Law(ザ・パワー・ロー) ベンチャーキャピタルが変える世界(下) (日本経済新聞出版)
  • 愛するということ 新訳版
  • 民主主義とは何か (講談社現代新書)
  • 「自信がない」という価値
  • ITエンジニアのゼロから始める英語勉強法
  • ケマル・アタテュルク-オスマン帝国の英雄、トルコ建国の父
  • ビル・ゲイツ・ストーリー (ラダーシリーズ レベル5)
  • 入門 朱子学と陽明学 (ちくま新書)
  • 二・二六事件―「昭和維新」の思想と行動 (中公新書 76) | 高橋 正衛
  • 日本語に生まれること、フランス語を生きること: 来たるべき市民の社会とその言語をめぐって
  • ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義
  • 東京都同情塔
  • 人と思想 15 カント
  • Move Fast: How Facebook Builds Software (English Edition) [Kindle edition] by Meyerson, Jeff
  • 射精責任
  • Super Thinking: The Big Book of Mental Models (English Edition)
  • なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書)
  • Ray Dalio: A Biography of the Legendary Investor (English Edition)
  • ありえない仕事術 正しい“正義”の使い方
  • 存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)
  • はじめての人の簿記入門塾―まずはこの本から!
  • 学問の発見 数学者が語る「考えること・学ぶこと」 (ブルーバックス 2065)
  • 数理モデル思考で紐解くRULE DESIGN -組織と人の行動を科学する-
  • 一冊でわかる中国史 (世界と日本がわかる 国ぐにの歴史)
  • データ可視化の基本が全部わかる本 収集・変換からビジュアライゼーション・データ分析支援まで
  • 幕末・維新: シリーズ 日本近現代史 1 (岩波新書)
  • 民権と憲法: シリーズ 日本近現代史 2 (岩波新書)
  • 経理以外の人のための 日本一やさしくて使える会計の本 (ディスカヴァー携書)
  • 日清・日露戦争: シリーズ 日本近現代史 3 (岩波新書) | 原田 敬一
  • 会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方
  • 大正デモクラシー―シリーズ日本近現代史〈4〉 (岩波新書)
  • 教養としての「会計」入門
  • 満州事変から日中戦争へ: シリーズ 日本近現代史 5 (岩波新書)
  • アジア・太平洋戦争―シリーズ日本近現代史〈6〉 (岩波新書)
  • 占領と改革―シリーズ日本近現代史〈7〉 (岩波新書)
  • 高度成長―シリーズ日本近現代史〈8〉 (岩波新書)
  • ポスト戦後社会―シリーズ日本近現代史〈9〉 (岩波新書)
  • 数値化の鬼 ── 「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法
  • 【新版】財務3表一体理解法 (朝日新書)
  • 全面改訂版 はじめてのGTD ストレスフリーの整理術
  • とにかく仕組み化 ── 人の上に立ち続けるための思考法
  • カーネギー話し方入門 文庫版
  • 技術革新と不平等の1000年史 上
  • 技術革新と不平等の1000年史 下
  • 論理的思考とは何か (岩波新書 新赤版 2036)

去年の記事

blog.515hikaru.net