Diary over Finite Fields

515ひかるの日記と雑文

Twitter のアカウントを削除しました

Twitter の @515hikaru というアカウントを削除しました。

Twitter を始めた正確な時期はもう思い出すこともできませんが、たしか 2012 年、大学に入学したあとに始めました。10 年近くやっていたことになります。

削除するだけなら黙って削除すればいいのですが、こんな機会がないと振り返ることもないと思うので、この 10 年を簡単に振り返って Twitter に対して思っていることを書こうと思います。


Twitter について考えると、まず最初に思い浮かべるのはたくさんの出会いです。大学の仲間、学外の仲間など数学に関心がある人との日々のコミュニケーションだったり、勉強会をしたりしたきっかけは、僕の場合はほぼ全て Twitter でした。

プログラマーの情報発信なども Twitter で出会いました。Qiita を認識したのはたぶん誰かのツイートだったと思います。プログラミングを始めたきっかけこそ大学での(すなわちリアルでの)交流がきっかけでしたが、自分が仕事を決める後押しのひとつになったと言っても過言ではありません。

Twitter は自分が言いたいことを言うツールとしてとてもよく機能しました。僕はあれこれ考え事をするのが好きだし、考えたことを表明するのも好きです(だからこんなブログを誰にも頼まれていないのに続けています)。Twitter は考えたことのスナップショットを表明したり、ニュースを読んでひとこと物申したりするのがとても楽しかった。とても良い時間を過ごしていました。

長い年月が経ち、社会も変わり、Twitter も変わり、僕も変わりました。

SNS が世界を変えた。そんなことはわざわざ言わなくてももうみんな知ってます。SNS はあって当たり前のインフラになり、クリエイターの発信の場であり、災害情報も流れてくるし、人々の行動や果ては政治にまでも影響を及ぼすような存在になりました。

ここ数年で SNS が社会に対して果たさなければならない責任の大きさは止まることを知りません。今だと例えば、ワクチンに関する検索をするとデマの警告や厚生労働省のサイトへの導線などがトップに表示され、それが当たり前になっています。フェイクニュースやデマからユーザーを守るのもプラットフォームの責任であるということです。僕自身もそうあるべきだと思います。

そして僕も変わりました。結論から言って、僕にはもう昔ほど言いたいことはありません。いや、今でもブログはやっぱり誰にも頼まれていないのに週に 1 回は更新しているし、最近はやっぱり誰にも頼まれていないのにほぼ毎週ニュースレターなるものを書いて時事ネタにコメントしています。言いたいことを言いまくっています。

それでも、もうかつてのような衝動的な想いはどこにもありません。歳をとったのでしょうか。学生時代、僕は頻繁に怒っていたし、頻繁に絶望していました。どうしようもなく行き場のない感情が常にありました。2017 年か、2018 年くらいまで、僕の中にはそういう衝動が折に触れて訪れて、その度にブログを書くなり、ツイートをするなりしました。とにかくどこかに吐露しておきたかった、自分の内には留めて置けなかった。

今思うと弱かったのかもしれません。

あのときのような衝動は、僕にはもうなくなってしまいました。それでもただただ惰性で Twitter を続けていましたが、もう人のツイートを見る理由も、自分がツイートをする理由もなくなりました。なにも衝動がないのですから。

むしろ見ない理由が増えました。Twitter の拡散の仕組みは強い言葉への注目度を高め、それを積極的に表示していくように最適化されています。しかし、今の僕は、少なくとも過去の自分と比べれば相当に温厚です(自分で言うのもなんですが)。わざわざ強い言葉を使っているツイートを積極的に見たいとはもう思えなくなっていました。

はっきりいって、最近は Twitter よりも Facebook や Instagram のフィードのほうが居心地がいいです。誰もいがみ合っていませんし、喧嘩腰の人もいません。たまに変な人はいますが、とても少ないし見なければいいだけの話です*1。そのほうが平和でいいじゃないか——そんな当たり前のことに気づくのに、なぜか 10 年近くかかりました。


別に @515hikaru というツイッターアカウントは消えましたが、僕自身が死ぬわけでもないですし、515hikaru という名前が消えるわけではありません。今までとなにも変わりません。

Twitter には本当に感謝をしています。僕が青春を謳歌できたのは、僕が大学に入学したときには Twitter が既にあったからでしょう。

ですが、もうこれからの僕の人生には Twitter は要らなそうです。きっともう一度ツイートをし始める時は仕事で Twitter やるときとか、そんな感じでしょうね。

今まで、本当にありがとうございました。これからもより良いプラットフォームを目指して頑張ってください。心から応援しています。

*1:表示制御やフィードバックへの導線は、個人的には Facebook 製 SNS のほうがすっと洗練されているように感じます