Diary over Finite Fields

515ひかるの日記と雑文

最近考えていること 2023年6月

いくつかノートにメモ書きが溜まったので吐き出しておく。

スケールしないことが大事

この間ローマ人が仕組み化することでめっちゃスケールしててすげーと言ったけど、それも真なることながらやっぱりスケールしないことも大事なのではと思っている。

なぜ仕組み化するのかというと、仕組み化することで1だった価値が100になったり1,000になったりという効果があるからだと思う。一方で、もともと生み出す価値が0だったりマイナスだったりすると別に仕組み化しても意味がない。

ということは、まず仕組み化する前にスケールしない方法でもいいからそれが「価値をもたらす」ということを証明して、初めてスケールするために仕組み化しようというインセンティブが発生する。

すごい当たり前なんだけど、だから最初に手を動かすフェーズではまずスケールしない方法でやる。スケールするとかしないとか考えないでやる。やって価値があるとわかったらスケールさせる方法を考える、という順序でやるべきなんだと思った。

まじで思っただけ。

出世

出世をしたくないと思っていた。今も思っていないとは言えない。

しかしどうも、出世をしたいかどうかは出世することに特に関係がないということもわかってきた。出世する働き方をする人が出世するのである。

早く出世するかどうかとか、どこまで上に上り詰めることができるかとかはあまり考えていない。そりゃ「日経大企業の取締役になりたい」という出世したいと、「とりあえずいま居るチームのリーダーになりたい」という出世したいでは難易度も必要なスキルセットも必要な行動もなにもかも違うだろう。

出世する働き方とはなにか。わからん。わかったら苦労しない。

ただ少なくとも、平社員に肩書きが着くというレベルの世界観では別にそんなに難しくもない気がする。それもどういう企業で平社員に肩書きがつくかによるので何も一概に言えることはないのだけど、少なくとも自分が経験しているような会社や業界、自分の職種、企業規模ではそのように感じた。

自分が観測した限り、出世と結びつくのは人と情報だ。人と情報の制御。このふたつ。

たとえソフトウェアエンジニアであっても、別に技術力と出世はある程度比例はしたとしても全くイコールではない。人と情報の制御のほうがよっぽど大事であるというのが僕の見立て。

意思をもって人と情報をコントロールする努力をする人じゃないと出世はできなそうだというのが自分の見立てである。

僕にはその才能はないと思い込んでいたが、そんなに才能がないわけでもないのかもしれないと最近は思い直している。

情報の制御というと、あいつは嫌いだからこの情報流さんどこ!みたいな性格の悪い上司みたいなのを思い浮かべるかもしれない。まぁ実際それも情報の制御だが、Aさんがいまは知らないが実は知るべき情報をタイムリーに適切な方法で伝える、みたいなことも情報の制御である。情報を統制すれば、自分がなにも手を動かさなくても人に仕事をさせることができるし、逆に失敗すると誰も仕事ができなくなったりする。だから出世と結びつく。

よく「そんなの誰でもできるだろう」と思う。しかし最近気づいたけど、誰でもできることは誰もやらない。どういうことかというと、本当に簡単で誰でもできることは既に誰かがやっている。だから、誰でもできるように見えることは本当は難しくて誰もやれていない(が、一見簡単そうに見える)ことだ。

例えば、ブログの運営なんかはまさにそうである。日本の義務教育を受けて日本語を書ける人であれば誰でもブログの運営くらいできそうだ。しかし実際にはできない人のほうが圧倒的多数だろう。

人とよく話して人脈を作っておく。情報を適切に管理してしかるべきところに届ける。どちらも誰にでもできそうなことのように思う。しかしびっくりするくらい誰もできていない(僕も全然できていない)。いかにも技術力がないとできそうなプログラミングとかどうこうよりも、誰でもできそうな人脈づくりと情報統制で出世できるかどうかが決まるのは、むしろ自然なのだ。プログラミングで誰かと差別化するのは結構難しいが、人脈と情報統制で差別化するのは難しくない。というか、それがそのままその人にしかできない仕事に変わっていく。