今更ながら COTEN ラジオを聴いている。
これの数学史版が作れたらめちゃくちゃ面白そうだなと思っている。
数学史を語るのは結構難しい。例えばフェルマーの最終定理を語ろうとするとどうしてもフェルマーが余白が狭すぎるとかどうとか書いてた話になるけど、そもそもフェルマーが数学者ではないということさえそんなに知られていないと思う。
じゃあどんな人だったの?とか、後世の数学にはどんな影響を与えたの?とか(無限降下法とかがフェルマー発とされていたような、うろ覚え)案外数学をちゃんと勉強した人でも知らなかったりするのでは。
そうするときっと(全然調べてないけど)ルネサンス後期の影響が〜とか、当時の大学っていうものは〜とか、なんか話さないといけないことが芋づる式に増えていって結構キリがないんだろうな。間違ったこと言うわけにもいかないし。
あと、数学にまつわる面白いエピソードはいっぱいある。天才のエピソードは本当にぶっ飛んでて面白いのだけど、よく言われている話が実はデマなのではという指摘もあったりするので簡単に言いふらせない。ノーベル数学賞がないのはノーベルの恋敵が数学者だったからとかね(筆者は真偽未調査)。
逆に Grothendieck は Lebesgue 積分を自力で発見した、みたいな嘘か本当かわからん話が本人の著書に残っていたりするし、こういうことは「出典がここ」と言えるなら発信していきたいよね*1。
コテンラジオは、解釈が分かれる部分とかもなるべく入念に調べていそうな雰囲気を感じるのですごいなあと思う。この間聞いた日露戦争のシーズンも 240 ページの台本を書いて 2 日かけて収録とか言ってるけど、その台本を書き上げるためにとんでもない時間割いてるだろうなぁ。
数学史ラジオやれたら楽しそうだけどやり始めたら人生の消費量やばそうだなぁと思って気が進まない 2022 になっている近況ということでした。
*1:興味がある人は Grothendieck の『数学者の孤独な冒険―数学と自己発見への旅』を参照ください。