Diary over Finite Fields

515ひかるの日記と雑文

普段ブログを書く時は脳内で突然書き出しが自動再生され、その再生された文章をなんとなく記事の形にして作っている。

だけど今日はタイトルしか決まっていない状態でこれを書き始めている。

練りこまれた毒

普段体にいいものばかり摂取していると、体に悪いものも欲しくなってくる。きっとジャンキーなラーメンを定期的に欲する人は、毒の定期的な摂取がルーティンになっているのだと思う。

かくして僕も定期的に毒を摂取したいと思っている。ただ僕の場合、その毒とはジャンキーなラーメンなどでなく、心に釘を刺すような、痺れる物語を欲することが多い。例えば、昨年の秋に公開された「淵に立つ」のような痺れが欲しい。

小説で例えれば直木賞や本屋大賞よりも芥川賞、映画で言えばTOHOシネマズじゃなくてどこかのミニシアターなど、僕が求めている物語は探せば見つかる程度の存在ではある。一方で、探さないと見つからないとも言える。

その毒を摂取した時、僕は見なきゃよかったとも思い、同時にこれが僕の求めていたものだと狂喜する、その相反する状態を味わいたい。

解毒

耳当たりの良いこと、気分のいいことばかり見聞きしていると逆に不健康になっていく気がする。心が荒んでいくような、鋭敏さが失われていくような。

逆に、こうした「良いこと」のほうが僕の心には「毒」なのかもいしれない。そして、溜まった毒を解毒するために、違うタイプの毒を注入している。毒をもって毒を制す。

僕ここしばらく、解毒できていない。 何か、自分の琴線に触れる毒を探したい、そんな気持ち。