Diary over Finite Fields

515ひかるの日記と雑文

すりきれたカセットテープ

今どきカセットテープなんか使わないけれど、すりきれる音楽の再生媒体がカセットテープしか思いつかなかった。

この三ヶ月ほど季節の変わり目だったせいか*1色々と精神不安定だった。何曲か何度聴いたかわからない感じの曲が増えた。

秋の夜長に聴いた曲たちは心を抉り、さながら暴力だった。しかし時を経るごとに、そこまで思わなくなっていく。その曲があることがあたり前になり、毎日朝起きて聴くことを日課にさえできるようになった。かつて感じていた想いが時を経るごとに失われていくのは、さながら音楽とともに心もすりへっていくさまを見ているよう。

そりゃ何度も聴くから慣れるって言えばただそれだけ。だけど、初めて聴いたときの「非日常感」が、いつしか日常に溶け込んで、特別なことでもなくなって、いつしか人生に組み込まれ、新たな何かを見つけてまた忘れられていく。繰り返していく、変わっていく。

ゆく河の流れは絶えずして しかももとの水に有らず って誰の文章だっけな。そんな感じ。

街を歩けばイルミネーションでクリスマスが連想されるし、カフェにでも入ればクリスマスソングが流れていて、もう12月、もう年末と否が応でも意識させられる。なにかを楽しんだり喜んだりする気持ちには全くなれないし、「俺たちの2018年はこれからだ!」とかの冗談を飛ばす気にもなれない。

何をしても、何を考えても、そもそも人生自体が意味のないもののように思えてくる。そこに毒を注入してくるなにかも、悦びを与えてくれるなにかも見つけられない。そんな師走の始まりだった。

クリスマスソング

クリスマスソング

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*1:違うけど。