このところ、あまり小説を読んでいない。まぁ結構前から読む頻度は激減しているのだけれど、物語を消費することにあまり意味を見出さなくなっている気がする。小説も読まない、漫画も読んでいない、アニメも見ない、ドラマも見ない、映画も見ていない。何も見ていないし興味が起こらない。
前にも書いたことあるかどうかは忘れたけど、個人的には小説だろうがYouTubeだろうがコンテンツとして同列だと思っている。芥川賞がどうこうというのも商業的なショーであって、文学は高尚であるというのはポジショントークに過ぎない。僕に言わせれば結局やっていることは芥川賞を受賞とハクをつけるのはYouTubeの何千万回再生とかいって広告をはっつけるのと同じ話。コンテンツとしては、享受する層の違いとかはあれど全く同じものだ。文字なら高尚で絵や動画なら低俗なんてのは世迷いごとだし、俺は低俗な文章をいくらでも読んだことがある。例えばこのブログにある記事がそうだ。
というわけで、自分の可処分時間からはすっかり小説なんてものは姿を消した。最近はもっぱらコードを書いているか、小説ではない本を読んでいるか、仕事をしているか、じっと何かを考えていることが多い。特に、創るということを考えていることが多い。何を創ろうか、いま作っているものをどうしようか、そう考えているだけで一日が終わる。そうした一日はとても充実した休日になる。
- 作者:森 博嗣
- 発売日: 2020/04/06
- メディア: Kindle版
そんなことを、この本を読んで思った。
無条件に人がつくった何かを浴びるのもそれはそれで面白くはある。実際、最近の僕は十三機兵防衛圏でいたく感動していたし、Fate/stay night にハマっていたし。たまにはいい。
だけどもう、正直そういうのも飽きているんだよな。どんな拙いものでも自分で作っているほうが楽しいんだよ。
前に中田ヤスタカがテレビに出てたときに、ライブに行っても自分が音楽を作りたくなって途中で退席することさえある、みたいなこと言っていたけど今はちょっとその気持ちがわかる。何かを調べものをしていたり、あるいは目の前の完成品(工業製品かもしれない)であったり、いま目の前にあるものををじっと見てる。じっと見ていると、それとは全く関係のないもので、自分の関心のあるものを作りたくなる。実際、最近ちょこちょことコミットしているパーサー君はそうして作り始めたものだ*1。
別にソフトウェアじゃなくてもいいんだけど、何か自分が作ろうと思えるもの(例えばこの記事みたいな)。あるいは普段のツイートであったりとか。そういうのも全部、人がしている何かを見ているよりも自分が何かをやったほうが楽しいと個人的には思っているし、だからこそ映画を見続けるとか、小説を読むとかはやめたけど、ブログを書くとかプログラミングをするとかはやめてないんだと思う*2。それに、一番僕がトクしているのは、やったことに誰からのリアクションがなかろうが僕にはどうだっていいいと心の底から思っていることだ(リアクションなんてないのが当然だし)。
だからこうして、今日も誰のためにもならない文章をのんびりと書いている。それは誰のためでもなく、僕のためなんだよな。