Diary over Finite Fields

515ひかるの日記と雑文

ビートたけしが70歳なことに驚いた

たまには読書の話でも。せっかく本を読んだのだし。

ビートたけしのコラムを読んでみた。

テレビじゃ言えない (小学館新書)

テレビじゃ言えない (小学館新書)

別に好きというわけではない。憎みきれないジイさんだとは思っているが。

ビートたけしと言えば日本ではアホなことをやってるコメディアンであり、同時に世界的にも有名な映画監督であったりする。昨年はフランスで賞をとったりもしていた。俳優としても様々な作品に出ており、攻殻機動隊の実写化にも出演されたそうだ。

別にそれ以上のことはこのジイさんについてよく知らない。生まれたときにはバカやったり監督やったりしていたから、テレビの中に居るのが当たり前な人間だった。

この本に書いてあることのほとんどはあまり根拠のないジジイのたわごとで、聞く価値はないといえばない。

しかし、全体的に冗談交じりに口語調で書かれている文章の中で、突然真面目になったりするビートたけしを見ると、「あァそうか、この人もなんやかんや言って日本のことが心配なんだな」と思う。それがわかっただけでも、まぁ買ってよかったんじゃないかなと思う。

この本はネットで一部が公開されていた。わたしはネットで本の一部が公開されていると興味をもった記事に関してはついつい本も買ってしまう。だいたい後悔したことはない。

「今の時代に知識情報には価値はない」などと真剣に言う人が居る。例えばどこそこのアイドルの出身地や誕生日とかを覚えるのは価値がない、というのはわかる。しかし、大抵の情報というのは単なる知識ではない。知識のバックグラウンドや横のつながりが発想力に繋がっていく。そしてこうした知識は、大抵の場合タダでは手に入らない。

ネットでタダで公開されているものは、やはりタダで手に入る情報程度の価値しかない。*1本当に知りたいことは、ネットの情報のさらに奥の、例えば書籍などで有料で販売されていることがほとんどだ。書籍でも足りないこともあり、母語とは異なる言語が必要になったり、直接現地に言ったりすることが必要になる情報もあるだろう。誰でもどこでも何でも知ることができるなんて嘘っぱちなのだ。

そしてビートたけしもそのことを書いていた。どのような文面かは書かない。わたしがうえの段落で書いたのはわたしの価値をもたない文章であるが、ビートたけしが書いたのは実際に販売されている、価値のある文面である。こんなところで一部でも引用するわけにはいかない。

この本についてもう少しだけ言う。『テレビじゃ言えない』というタイトルだけど「この程度のこともテレビでは言えないのか」というくらいに、話としては全体的に結構ソフトである。そりゃ下ネタという意味では放送コードにひっかかっているかもしれないが。でもそれもひょっとしたらビートたけしだからなせる「技」なのかもしれない。

*1:ちなみにわたしはわたしのブログ記事が価値を持たないように書いている。古い情報も気付いていても自分が必要性を感じなければアップデートしないし、間違いのすべてに対応するわけでもない。さらに、話題はひどく断片的で無秩序だ。思いついたままに書いているから検索もしにくいだろう。わたしも暇じゃないしボランティア精神の塊でもないからこの状態になっている。