Diary over Finite Fields

515ひかるの日記と雑文

怒りは何も生まない

怒るのをやめようと思った。より正確には、なるべく怒らないように努力をしている。人間なのでたまに失敗する。

いつのことだったかよく覚えてないけれど、きっと 2020 年よりは前だと思う。

人の怒りばかり見ることに嫌気が差した。

怒るのは簡単だ。自らの正義を主張することも簡単だ。人の怨嗟は伝播するし、連鎖する。

自分はそのネットワークには参加するまい、と思っている。怒っても、どうにもならないからだ。

炎上して何かが中止になったりするし、誰かが辞任したりするし、実際に何かが起きることはないではない。だけど、たいてい何も起きないし、どうにもならない。現実はそう簡単じゃない。怒りは多くの場合、現実を見誤っているから起きる誤解に端を発していると思う。

さて、なぜ怒るのかというと、怒ることは怒らないことよりも簡単だからだと思う。人はエネルギーの高い方から低い方へと流れていくから、わざわざエネルギーを使って怒っているのではなく、感情を制御するエネルギーを使っていないと解釈している。

怒るのは簡単だ。人殺しが起きた時、事故が起きた時、不倫が報道されたとき、政府がヘマをしたとき、なんでもいい。とにかく怒りのタネはそこらじゅうに転がっている。そのタネに反応するだけで、怒りは生まれるし、怒りは表明できるし、怒りは伝播する。怒りは立派な娯楽として機能している。

だから怒るのをやめようと思った。ニュースを見ないようにしているのもそれが理由だ。誰が得をするわけでもないのに、自分の心を遣ってやる必要なんてないんだ。