退職する。最終出社日とかはまぁあえて書く必要もないと思うので、知りたい人はTwitterでもみて察してほしい。
次の会社には5/7に初出勤になる。まだ先のことだ。今日よりは気温は確実にあがっているだろうが、それくらいしかわからない。
ちなみに真面目に退職エントリ書こうと思って下書きまで作ったんだけど、結構前にかいて忘れちゃって、面倒でまた0から書き直した。
どこからどこへ行くの
どこへ、は今後方針転換があるかもしれないのでもしかしたら固有名詞を書くことが将来的には存在するかもしれない。しかし、今はとりあえず書かないでおく。
どこから、については今までも、これからもネット上には書かないつもりだ。今まで匿名でいろいろなことを言ってきた。退職が決まって固有名詞を出すのはさすがにフェアじゃない。別に教えない主義とかではないので、オフラインで会うことがあれば普通に答える。どんな会社か知らないだろうけど。
なにをしてきたか
僕は2年前くらいにその会社の社員番号1ケタで入社をした。セキュリティもなにもなくむちゃくちゃやっていた時期から、現在の何をするにでも〇〇チェックだのなんだののExcelシートが社内コラボレーションツールを通じて飛び交うようになるまでを一気通貫して体験した、めずらしい経験の持ち主だと思う。今後のキャリアに生きるかは不明だが。
おそらく2年前はさすがにゆるすぎではあったんだけど、今はたぶんキツすぎるので間がちょうどいいんだろうな。でもあいだの時期なんて存在しなかったな、という気持ち。
印象に残っているというか、明確な不満は最初の頃のほうが明らかに多くて。避けて通れないのでそろそろ書くが、いわゆる機械学習系ベンチャーというやつで働いていた。ほとんどの技術者がアナリスト畑よりで、とにかく話が合わなくて混乱したのを覚えている。
Gitってご存知ですかと聞くとそもそもSVNどころかバージョン管理システムの概念さえご存知ない様子だったり、PATH
いじったんだけど反映されないと言われて source ~/.bashrc
してないだけだったり、プログラミング初心者かよと思うようなことがたくさんあった。この話の一番虚しいところは、初心者だった人は僕が何を言おうともいつまでも初心者だということなんだが...
そんな中でも共存して生きていかなきゃいけないよね、技術の社会実装に向けてみたいな話を上層部は口ではするんだけど、結局当時の採用担当はわかってんだか、まぁわかってないんだろうな、アナリスト、およびアナリスト志望者ばかり採用しまくってHTTPとHTTPSの違いも知らないような人が増え続け、リリースしたWebアプリケーションがことごとく実用に耐えなくてお客さんに怒られる。さらには営業トークだと思っていた「Webなんて誰でもできる」という役員の発言はどうも本心だったようで"自社サービス"を"外注"して(すごい矛盾)つくらせて全然期待はずれ。そんなこんなをずっと見てきてるし、僕の負荷はあがるばかりだし、ブチ切れて転職活動してたってのが2017年の冬の話。
ちなみにこの頃の採用の話は今も...詳細は書かないけど、組織の歪の一因になっていると思う。採用に妥協する時期は存在してはいけないね。
いま何を思っているか
話がそれた。そんなこんなもいろいろあって怒りが収まって1、追加で1年弱働いた。お金の事情で転職活動をしていたときもあったけど、結局給料増えてそれもとりやめた。
そしてまた時を経て、今度は感情的にもならず、ただただ冷静にやめたくなった。なんでか、正直わからん。わかってるならやめないと思う。
わからないからやめる、とは言いづらいのであんまり他人にはそう言っていないんだけど、本当に微妙な気持ちだ。やめない選択肢をとることもできたんじゃないかって一日に15秒くらいは考える。
スタートアップだけど、倒産とかそういう危機に瀕するのは直近ではないだろうなって思っている。開発は確かにうまくいっていないかもしれないけれど、お金がないとか、給料が仕事に見合っていないとかそういう風には感じていない。
でも僕はこの会社で働いている自分が、あるいは自分の仕事で誰かが、幸せになる未来がどうしても思い描けなかったんだ。それはお金とか待遇とかで語れるような話じゃない。人生という有限の時間の使い方の話だ。どんなに儲かると知っていても犯罪に時間を使わないようにするだろう?それと一緒で、自分の意志に反する時間の使い方は避けないといけない。
そんなことを思えるようになったのは本を読んだから。一年くらい前に読んで泣いて以来、道に迷ったときは『アジャイルサムライ』を参照するようにしている。特に「最後に」をよく読む。
でも職場でアジャイル開発が一切許されなかったらどうすりゃいいの?
それもまた、君の選択次第だ。
君が質の高いソフトウェアを届けることは誰にも止められない。君が現場に立って、お客さんに向けてプロジェクトの状況と、プロジェクトに必要なことを誠実に伝えるのを誰にも止められないんだ。
でも勘違いしないでほしい──これは簡単なことじゃない。私たちの業界には何十年もの歴史がある。時の流れと共に積み重なってきた数々の問題が、私たちの行く手を邪魔することだってあるだろう。とはいえ、結局のところ君の働き方や仕事の質を選んでいるのは他の誰でもない、君自身なんだ。そのことだけはしっかりと受け止めてもらいたい。
たしか去年の秋口にこの部分を読んだ。そのとき目が覚める思いだった。
- いつの間にか誰かのせいにして質の高いソフトウェアを作ろうとするのをやめていた
- 自分でしたはずの選択に責任をとろうとしなくなった
- 組織のせいにして自分が変わることを拒否していた
これらのことを自覚して、このままではダメじゃないかと強く思ったことを覚えている。ただ、結局僕には今の会社での僕の選択を変えることはできなかった。僕もまた、時の流れと共に積み重なってきた数々の問題に、行く手を邪魔された1人だったということだ。どうにもできなかった、いや、どうにかしたいと思えなかった、というのが正しいのかもしれない。
これが契機というわけでもないが、僕は自分の選択をもう一度しようと思って転職活動を再開した。といっても、正直あまりしていない。現職での打開ができるのであればしたかったし、そこまで入りたい会社に出会えなかったのも手伝って、悩んでいる時間が大半だった。とにかく大企業に入ればすべて解決するんだとも思えなかったし、中途半端な気持ちで転職活動を始めたので最近流行りのいわゆるGAFAとかを受ける気にもならなかった。そこまで強く「ぜってーてんしょくするぞ!」って思ってないし。
『エンジニアの知的生産術』を読んで形から入ろうと思ってとりあえず付箋を買ってきて、僕が思う現職の問題点を書き出したりしたのが、一番の収穫だったかもしれない。結局、現職と似たような事業で哲学が違う会社に入ることにしたのも、それがきっかけだ。付箋に書いてあることと真逆のことを言っている、と思ったのがその会社に興味をもったきっかけだった。
これから何をしたいか
とりあえずしばらく休みなので2泊3日くらいで旅行できないかなと思っていたりする。といっても全然何も決めていない。無計画。ご飯がおいしければなんでもいいかなって。
あと敢えてプログラミングはPythonを離れて静的型付け言語ばかり使うようにしている。最近リリースされたPyrightの動作確認をしてみた以外でPython書いていない。EmacsでGolang書くのがちょっとずつ快適になってきたこの頃。
あとはNetflixで映画やアニメみたり、キングダムハーツしたりしようかなと思ってる。これを機にPS4 Proを買おうかなって。一応 4K ディスプレイあるし。NieR:Automataやり直すというのもありかもな〜なんて妄想ばかりが膨らむ。
最後に
最後までにめちゃくちゃ書いたけど、一個だけ言わないといけないなと思っていることがあって。
2年前に現職で働くという決断をしたこと、そしてそこに後悔は全くないということは言わないといけない。先のことを何も決めないまま休学してとにかく空っぽだった自分に、居場所とやることとお金をいただいた。それについては本当に感謝している。
僕はこの会社に会えなかったら今みたいに働けてはいないと思う。運命の出会いってやつがあるのなら、たぶん僕の人生ではこの時に使い果たした。別に愛してはいないけど、これからもお元気で。
- 作者: Jonathan Rasmusson,西村直人,角谷信太郎,近藤修平,角掛拓未
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あんまりディティールは書きたくない。↩