Diary over Finite Fields

515ひかるの日記と雑文

さようなら、お元気で

いつもよりビールが苦い。

この一週間ほど、ブログを書かないでGitHubにコミットしていた。別に大した理由はなくて、さして変わらない毎日をアウトプットするより、本を読んでインプットしたほうが生産的な気がすると思っていただけだ。

その結果、Go言語でつくるインタプリタを読み終えてゼロからインタプリタを実装するとかできた。それはそれで嬉しかったし面白いことだ。

tech.515hikaru.net

ところが、今日突然の報告が入ってきた。こういう報告は今年二回目だ。そう、大切な人ともう会えなくなった。約束の場所、いつもの場所から姿を消した。失くしたときにいかに大切にしていたかを思い知るのも今年二回目だ。

急いでメールに返信したら久々に Mail Delivery System1 から返信がやってきた。馬鹿野郎、俺のアドレスだけ受信許可しとけよ、と思ったけどそのあとはなんとも言えない気持ちになった。

信じられないくらい、自分は無力だった。最後に一言、「さようなら、お元気で」と伝えることさえできやしない。別れなんて突然やってくるもので、覚悟をする時間もないし、猶予なんてない。気づいたときには終わっている。

そう、いつのまにか終わっている。そしてあとで知る。何も知らなかったのは自分だけ。

寂しいとも悲しいともつかない気持ちにとりあえずウイスキーを流し込む。おいしい、こんな台風がきて蒸し暑くて気象庁から脅されるような天気でも、どうしようもなくうまい酒はうまいんだ。馬鹿野郎、俺は泣きながらうまい酒を飲みたいんじゃないよ。おいしい酒は、笑いながら、嬉しい気持ちで飲みたいよ。

届かない言葉も、できなかったことへの後悔も、全部涙で流すような人生にはしたくなかったのに。数少ない大事な人だけでも、つながりは残したかったのに。それがかなわないのなら、せめて別れの言葉だけでも交わしたかったのに。

あんまりだよ。

でも過ぎたことはしょうがない。届かない言葉は胸にしまって、きっと届かないけれどメールよりは見える場所にわたしの言葉を置いておこう。

さようなら、お元気で。今まで本当にありがとうございました。

その一言を伝えたくて、伝えられなくて、泣く。


  1. 補足しておくと、アドレスが受信拒否とかをしているときに届かなかったことを教えてくれるやつ。数年ぶりに見た。