昨日、8/26 公開の新海誠監督作品のアニメ映画「君の名は。」を見てきましたので感想を書きます。
タイトルは結構踏み込みそうなこと書いていますが、ネタバレなどはしないつもりです。しかし一応、鑑賞前に読む場合自己責任でお願いします。
だいたいどんな話
東京で暮らす都会の高校生「瀧」(神木龍之介)と糸守という地域、要するに田舎で暮らす「三葉」。ある朝、二人は起きたら人格が入れ替わっていた。なぜ? 理由も何もわからないがふたりは協力をして生活を始める。不思議だけどそんな生活に慣れてきたある夜に……
感想
いやもっとよくできるでしょ
率直な感想は表題の通り。なんかすごく妥協を感じた。絵じゃなくてストーリーに。詳しくは語らないが、ご都合主義が過ぎるのではと思うシーンがいくつもあった。そのほうが話としては面白いのかもしれないけれど、できれば理由はわからないけれど起きた現象はそんなに増やしてほしくなかったなぁと思う。没入できればそれでいいのかもしれないけれど、これじゃ疑問点がありすぎて入り込めないよ。
そして終わり方。うーん……平和に終わってくれるのはいいんだけどいかんせん平凡。「こう終わるんだろうな」って読めちゃってその通りに終わっちゃった。これじゃあ中学生のときにみた「秒速5センチメートル」のほうが僕は好きだよ、っていう気持ち。
もし仮に僕が不満を持ったバックグランドがちゃんと小説では描かれているなら、小説読んだほうが良いのかもしれない。*1小説買ってないけど例のごとく既に出ているっぽい。
- 作者:新海 誠
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
- 発売日: 2016/06/18
- メディア: 文庫
絵
正直、新海作品のストーリーは受け入れられる / られないがあると思うので上の節の話は好みの問題。でも彼の絵、特に背景にに文句をつける人はあまりいないと思う。今回の「東京」も「糸守」もすごい。正直ストーリーがどんなぐずったれでもこの絵を映画館で見られるのであればやはりそれだけで価値がある。
「シン・ゴジラ」を見た僕はこの映画での「東京」とシン・ゴジラでの「東京」は場所とか描いているものは全然違うけれど、本当にリアルだということがわかる。在来線を見てニヤニヤしてしまったりした。この人も鉄道好きだよね。
特に早回しで朝日が登り夕方になり日が沈む東京を見てほしい。たった数秒だけど、電車の動き、影の動き、圧巻。あと何気なくドアが閉まるとか、自動販売機から缶が落ちるときの缶の動きとか、繊細に作られているなと感じるので注目して欲しい。
音楽
この映画のために作ったと言うだけあって、どれもすごくいい。RADWIMPS はほとんど聴いたことがなかったが、これは CD 買ってもいいかもなというレベル。
- アーティスト:RADWIMPS
- 出版社/メーカー: Universal Music =music=
- 発売日: 2016/08/24
- メディア: CD
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- 発売日: 2016/08/24
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声優について(追記)
書くの忘れてた。役者さんの演技は目立った違和感とかは全然ない。強いて言えば男と女が入れ替わってるときに口調やらなんやらが変だが、それは計算してのことだろうと思う。
個人的には長澤まさみにフォーカスしたい。雑に言うと「色っぽいお姉さん」役(瀧のバイト先の先輩)で、年齢だけ低くした橋本マナミみたいな役なんだが(伝わるか?)、これがなかなかどうして、うまい。スタッフロールで見るまで長澤まさみだと気づかなかった。こんな演技できるとは知らなかったし、加えて本人のイメージとは異なる役を演じることができるという意味で、アニメの可能性を感じた。
総評
中高生に限らずデートには非常に良いと思う。僕はこの作品を楽しむにはオタクで有りすぎたのかもしれなくて、デートに見に行くくらいがちょうどいい映画だ。これはけなしているわけではなく、むしろほめている。それだけ奇をてらっていない安心できる映画であるということだ。
この人の作品は入り込めば入り込むほどどことなく虚しくなるので、僕はたぶん二回目を見に行かない。あと序盤が冗長で単純に 107 分が長く感じる。90 分くらいにできたんじゃないかと思うし、そのほうが良かったんじゃないかと少し思う。何を削ればいいかは考えていないけれど。
内容に触れないで書こうとするとこの程度のことしか書けないですね。でも内容について色々書きたいとはちょっと思わないのでこの程度にしておこう。
追記ついでに書いておくと、僕はなんやかんやいって次も新海誠監督作品を見に行くんだろうな、と思わされた昨晩でした。
*1:圧倒的に未確認。