Diary over Finite Fields

515ひかるの日記と雑文

救世主不在の人生だった

何をする気にもなれず、何もしない気にもなれない。

リストラされたけど家族に打ち明けられないサラリーマンみたいに、家をとりあえず出てみててきとうに歩き慣れた街をひとりで歩いた。家に居ると何かをしないといけない強迫観念に駆られるので、家の外に居ることで何もしない理由を作ろうとした。とにかく何か外に居る目的をひたすら探すことが目的だった。

とりあえず本屋へ行って数学書を見てきた。技術書を見てきた。喫茶店で読書をしてみた。Twitterでキーボードの話題を見かけたので、家電量販店で打鍵してみた。

しかし何をしても結局気は晴れなかった。誰かがわたしを追い詰めている。誰にも見られていないはずなのに、家に帰らないといけない、何かをしないといけない。何もしないで一日を終わらせる訳にはいかないと誰かが言う。

帰宅したあとはTwitterを見ながら、とても短い技術記事という名のメモ書きをしながら、不意に目の前が真っ暗になって自分がなんで生きているのかわからなくなる。なぜこの世に執着しているのか不意にわからなくなる。別に死にやしないけど、ただ涙が出そうになる。自分が明日を生きていることが信じられなくて、そんな明日は来ないほうが良い気がして、とりあえず死にたいと口に出してみる。別に死にやしないけど、生きてもいない。

仕事が嫌なわけでもないし、お金にすごく困っているわけでもない。ただ全てが無価値に思えて、自分も、あれほどハマっていたゲームも漫画も何もかもやめて、ただコードを書いてgit commitするかチェーン店で食べたくもない食事をするかを繰り返す機械になっている。少し前までもっと笑えていたはずなのに、生きることがここまで苦痛ではなかったはずなのに。

わたしはそんなボロボロの状態だけど、明日は重要なイベントが執り行われる手はずになっている。そして月末にはまた新しいことが始まる。でもきっとわたしが居なくても、世界はこのまま何事もなかったかのように動き続けるのだろうし、こういうことを考えるとそのほうが世界にとってもわたしにとってもいいような気がしてくる。

死ねやしないから、どうせ死ねやしないから。明日も無理やり笑って、おいしくもない酒を飲んで、ネガティブなことは言わずに、少し意識高いこと言っておけばいい。今までもそうやってやってきた。

これからもそうやってやっていけばいい。

どうせ死ねやしないんだから。

メシア(2017.9.5 at Aobadai)

メシア(2017.9.5 at Aobadai)