Diary over Finite Fields

515ひかるの日記と雑文

Windows に LaTeX 環境を構築した一連の流れのメモ

{\LaTeX} を Windows で書きたいと思った. 終わってみて思ったが, よく達成したなぁという感じである. 今まで Unix 系 OS で Emacs のプラグイン YaTeX を使った環境でしか {\LaTeX} を書いたことがなかった私であるが, 今回なんとなく Windows でも 書きたいなと思った. 本来は TeXStudio を用いる予定だったのだが, 後述の事情でやめた.

とりあえずやっていったことを日記みたいに書いていこうと思う. いずれもそんなに詰まったとか苦労した部分はない.

思い立った経緯

{\LaTeX} を書きながら, スマートホンで音楽を聴いていて思った. "パソコンで流せばよくね?" しかし, 私の {\LaTeX} 環境は Xubuntu の中にあり, Windows とのデュアルブートである. Windows の音楽をコピーしてもいいのだが, iTunes で買った歌は聴けない (ほんとダウンロード販売って嫌いだ) し, 容量を食うことになる.

"じゃあ音楽聴きながら {\LaTeX} 書けるようにするために Windows 環境でもコンパイルできるようにするか." そう思った私は早速取り掛かったわけである. 以前, Windows に TeXLive2014 をインストールしたことはあったので, そんなに困ることもないだろうと踏んでいた. 実際は予想外のことがふたつ起きて想定とはちょっと違う環境になったのだけれど…

当初の目標

これからやらなくてはならないことを正確に述べるために僕の環境について多少述べておこう.

  • Windows10
  • TeXLive2014 (インストール済)
  • LuaLaTeX を用いる.
  • コンパイルは Latexmk で行う.(.latexmkrc はホームディレクトリに追加済み)
  • スタイルファイルは Git の管理下にあるので, C:\texlive\texmf-local\tex\latex\local 以下にリポジトリへのシンボリックリンクを貼る.

シンボリックリンクの貼り方を知らないので調べてみた.

dev.classmethod.jp

そんなわけで, 次のようなコマンドを入力. (コマンドプロンプトは管理者権限で開く!)

MKLINK "C:\texlive\texmf-local\tex\latex\loxal\my-sty.sty" "C:\Users\User Name\path\to\styfile\my-sty.sty"

こんなことをスタイルファイルの数だけ繰り返す. (よく考えたらディレクトリごとシンボリックリンク貼った方が楽だった気がするが, このときは何も考えていなかった.) 忘れずにシンボリックリンクの更新をする. もちろんご存知, mktexlsr (texhash) である. これで試しにコマンドプロンプトからコンパイルしてみたら通ったので, とりあえずエディタの設定をすることにした.

最初の目標はこうだった.

  • エディタおよびタイプセットおよびプレビュー: TeXStudio

シンプルだ. 全部 TeXStudio でやってしまおうという腹であった. なんかよくわからない UI と格闘していろいろとりあえずコンパイルに成功したのだが, 実際に執筆を始めてすぐ異常に気付く.

カーソル移動がマウスを介さないとできない (!?) というとんでもない状態だった. 謎すぎる.

なんかググっても同じようなトラブルは見受けられなかったので, しかたなくエディタを変更することにした.

Emacs に挑戦してみる.

Windows で Emacs を扱ったことがないし, 実際にやってみたことはなかったのだが相性が悪いという話しか聞かないので チャレンジする気もなかった. しかし冷静に考えるとずっと Emacs でやってきたわけだから, Windows でも Emacs でやるのは自然ではある. そこでやってみた.

.emacs.d ってどこにおけばいいの?

ここからである. Windows に不慣れな僕はまずデフォルト環境変数 HOME をユーザーが指定しないといけないことを知らなかった. Emacs を起動したら作られるはずの .emacs.d ディレクトリがどこにも作られない. 困ったな~なんてググってみると, 自分で環境変数を付け足さないといけないと知る.

yohshiy.blog.fc2.com

Windows10 の左下の検索ボックスで 「環境変数」と入力してみたら出てきたので, ユーザー環境変数 HOME を C:\Users\User Name と指定. すると指定した場所に .emacs.d が作られた. よかったよかった. ここにずっと使っていた init.el などをぶち込んで, YaTeX の設定が生きていることtタイプセットが可能なことを確認して その日 (昨日, 8/19) は寝た.

日本語がうてない

翌日, 執筆再開して思う. "あれ, 日本語がうてない"

困った僕はさっきのページを読み返す. どうも僕は gnupack とかのインストールをすっとばしていたらしい. むむっよくわからん.

俺がしたいのは環境構築じゃなくて pdf を作ることなんだよなぁと思ってすべて妥協して次の環境を作ることにした.

最終的な結果

  • エディタ: サクラエディタ(理由を覚えてないけど昔入れたから)
  • コンパイル: コマンドプロンプトから latexmk -lualtex hoge.tex を実行.
  • プレビュー: GSView

おそらくエディタとコンパイルについては何も解説することはないと思うので, GSview について少し書いておこう.

GSview を選んだ理由はタイプセットで pdf を更新しても, ビューワーを再起動することなく pdf がアップデートされるからである. プレビューの際にいちいち Acrobat DC とかを再起動していたらたまったもんじゃないので, これを選んだ次第. ちなみに, この情報は Yahoo! 知恵袋から得た私であった.

Ghostscript

さて正直 Ghostscript が何をするものなのか知らない. しかし GSview を動かすには必要なのでインストールした. 下記のページから, Ghostscript 9.16 (執筆時現在) をクリックしてインストール.

Ghostscript

インストール時に設定の変更はしていない.

さて, GSview をインストールしよう. 以下から自分の環境に合わせて .exe をダウンロードする. (僕は 64bit)

Obtaining GSview 5.0

これもインストーラ起動後, 特別な設定はしなかった.

そんなわけで pdf を GSview で開いて, すこし .tex ファイルを編集してタイプセットしたらちゃんと再起動なしで pdf がアップデートされました. やったね.

感想

なんか紆余曲折あったけどとりあえずこれで落ち着きたいなぁと思っている. なんか最初は YaTeX に慣れていてショートカットなどが使えないのが 気に触るんじゃないかと思っていたが, そうでもない. とりあえずこれで今後問題が起きなければメイン OS を Windows 10 にするプロジェクトの皮切りになりそうな気がしている.