Diary over Finite Fields

515ひかるの日記と雑文

めっちゃ今更だけど『ひとりっ子』を読んだ

ずーっと読む読む詐欺してたね。

ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)

ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)

やっと読んだよ。今日だけで「オラクル」と表題作「ひとりっ子」の両方を読んだんだけど、疲れたよ。学士(理学)を持っているけどこれを読むの普通に抵抗あるし、線形代数とか整数論とか量子論とか出てきても抵抗はないだけで内容がよくわかっていないから真面目に読むと大変だよ。

そもそも、ハードSFなるものを読む機会なぞ今までなく、量子論がどうたらこうたらとか、ゲーデルの不完全性定理がどうのこうのとかが小説に出てくるので既に感激。

この本は短編集で、初出は1990年のものから2002年のものまで。内容は、

  • 行動原理
  • 真心
  • ルミナス
  • 決断者
  • ふたりの距離
  • オラクル
  • ひとりっ子

の7編。

個人的にはオラクルとルミナスが好きかな。

ルミナスは結論より過程が好きだった。出だしの危機的な状況からルミナスにたどり着くまでの間、ふたりの過去のことや過程を緻密に描いたら長編になるだろうなどと思いながら読んでいた。あと、代数的位相幾何学のくだりは笑った。

オラクルは最初ロバートがなぜ拘束されているのかを理解するのに手間取ったけれど、並行世界の話に入ってからは面白かった。BBCのテレビ討論での演説は圧巻だし、史実をもとにしたフィクションは僕は結構好き。

もちろん他も面白かったけれど、いかんせん読む敷居がすごく高くて何より読み始めるのに時間がかかる。でも面白かったのでイーガンの長編何か読んでみたい、何を読むとかは特に決めていないけれど。

今日はこんな感じで、終わり。