Diary over Finite Fields

515ひかるの日記と雑文

ノートアプリの個人的栄枯盛衰とか

ノートをとるアプリ、メモアプリ、プレインテキストを書く話。

メモアプリいろいろ検討

メモアプリとかメモをとるツールとかいろいろあるんだけどなんかどれもピンとこなくてうろうろした結果、Inkdrop というのに今は落ち着いている。

www.inkdrop.app

Markdown でメモがとりたい、色々なマシンと同期したいがファイルを管理するのが嫌いという人には向いていると思う。僕は別に Markdown でメモがとりたいわけではないけれどファイルを管理するのが嫌いで Inkdrop を使っている。有料だが僕にはその価値はあると思っている。アプリ云々もあるけどなによりストレージってタダじゃないし。

似たようなものでは Standard Notes というものがあり、こちらは無料である程度使えるのでファイル同期を意識したくない人にとってはいいと思う。

standardnotes.org

Standard Notes は意図的に高機能化されていないようだ(例えば画像を扱えないし、拡張 Subscription に加入しないと Markdown エディタを使うことさえできない)。別途高機能なもので類似のものが欲しければ Joplin というのがある。

joplinapp.org

どちらも OSS でもある。

検討しなかったもの

なんで Evernote とか Notion とかの話をしないの? と思われるかもしれないけど 515hikaru はこれらのツールを使ったことがほぼない。Evernote は過去に Sign Up したことがあるかも不明、Notion はアカウント作ってあの Markdown を魔改造した何かを使う気になれなくてアカウントを削除した。

自分にとって、ノートアプリはとにかくプレインテキストを複数端末で同期できればそれでいいと思う。フォーマットはなんでもよくて Markdown である必要さえない。テキストを保存できればそれでよいのであってデータベースが作れるとか Web クリップがどうとかそんな機能は too much だと感じる。前者は Google スプレッドシートとかを使うし、後者は Pocket とかを使う。

Standard Notes とかに比べると E2EE されているかどうか、という論点もある。だけど僕はその辺詳しくないので筆頭の要件には入れてない。ただ自分にとって(公開していない)テキストは機密性の高いものなので、自分以外の人に読まれるリスクが低ければ低いほどよい、とは思っている。

なんでもひとつでやる、という幻想

かつては自分もひとつのツールでなんでもやるべきという思想に染まっていた時期があった。だから Notion とか全部入りツールを頑張って自分流にカスタマイズして最高〜!となる価値観もわからないではない。

だけどそういう試行錯誤は往々にしてコストがパフォーマンスを上回る日が必ずくるというのが僕の学びだ*1。ツールをひとつにすることにこだわってもあまりいいことはない。仕事とかで別のツールを使わされる日は必ずくるし。

この頃の僕は「プレインテキストを書く」という行為に 4 種類ツールを使っている。コードを書く時には VSCode と Vim を使う(書くコードのタイプによって使い分ける)し、日本語を書くときは、あるタイプのテキストを書くときは Emacs を使い、あるタイプのテキストを書くときは Inkdrop を使うといった次第に使い分けている。さらにいうとこの記事ははてなブログのブラウザエディタに直書きをしているので、そういうのも入れると 4 つでも足りない。

ただ、これによって各種ツールの設定をその特定の状況に特化させることができる。汎用性を持たせる必要がないし、特定のワークフローに向けた凝ったカスタマイズが気軽にできる(そのワークフローでしか使わないからだ)。Vim や Emacs に起こりがちな過度にカスタマイズして起動が重くなるとかいう心配もない。ある設定とある設定が競合するなんてこともない。運用コストが低いまま継続できるのが強みだ。あるワークフローを変えたくなったとしても、そのワークフローに関連するツールの設定が変わるだけなので他のワークフローと干渉したりしない。

かつてはなんでも Vim でやろうとして、それが頓挫してなんでも Emacs でやろうともしてみて、どちらも完璧とはならず結局両方使っていた時期があった。そこから VSCode に出会ったり紆余曲折を経たりして、最終的にいまの 4 つの構成で落ち着いている。自分のワークフローが増えるたびに既存のツールのどれにはめるか、はまらなければ新たにどのツールを使うのかを考えている。ツールを減らす気はないし、自分が変わればいいだけの話である。

おかげで「矩形入力をするときだけ Vim を使う」とか変なクセがついていたりもする。VSCode や Emacs で矩形入力をする方法を何度か覚えようとしたんだけど一向に覚えられない。矩形入力ってそこまで頻繁には使わないけど、ないと5分かかる仕事が10秒で終わったりするから使えない状況は避けたい。

まとまらないまとめ

というわけでノートをとるアプリには Inkdrop を使っている。でも Inkdrop しか使ってないんじゃなくて、ファイル化してきっちりバージョン管理したいときは Emacs で書くとか、自分のワークフローに応じてツールを変えている。

なんでこんなこと言いたくなったのかというと、最近 Notion が流行っているっぽいけど自分は全然ノれないので、僻み。みなかったことにしてください。

*1:学習コストではない。学習コストの初期投資を経てパフォーマンスがコストを上回った後に、また必ず運用コストがパフォーマンスを上回る日が来る、という話をしている。