何かの始まりや、何かの終わり。それを越えるまでは、その先があるなんてとても信じられないけれど、越えてしまえば確かに存在する。
単調な日常、退屈な日常。
日常の先にまた節目があって、また全力でその節目を越えるために尽くす。そして越えて、また日常がやってくる。
そんなことを、考えていた。
なぜか、未来はあるんだ。未来がない、という宣告をされることだってあるかもしれないが、少なくとも今の僕には未来が存在してしまう。だから、何か大きな壁があっても、大きな節目があっても、僕にとってそれはただの通過点に過ぎない。
子供の頃なんて特に、何かをなせば自分は自分であることを終えられるんじゃないかなんてぼんやりと思っていた。でも、どうしようもなく自分は自分で、それを変えることなんてできない。
何かをやめれば、何かを終えれば、何かを始めれば、自分は変わると思っていた。何かを手放せば、自分を諦めきれると思っていた。
残酷なまでに、僕は変わっていない。どんな山や谷を越えても、僕はきっと僕のままだ。
変わらない僕が、舞台を変えて、違う役割を演じている。
嫌ではない、むしろ逆。心地いい。
でもきっと、かつての自分が望んだ人生ではない。