Diary over Finite Fields

515ひかるの日記と雑文

止まったままの腕時計

僕は自分のことが好きではない。

自分が何かをなせるとも、何かをなすべきだとも思っていない。ただ、誰にも知られずにひっそりと死んでいきたい。僕が死んでも誰も悲しまない、そんな生き方がしたい。

いつからかはわからないけれど、そんな風に思うようになった。誰にも言わないけれど。


あのとき、どうするべきだったのだろう。

答えのない疑問が頭に浮かぶ。答えがないことだけ再確認だけしてかき消すけど、すぐにまた同じことを思う。

「あのとき、どうすればよかったんだろう。」

声に出してみても、誰も答えてはくれない。そもそも誰も聞いていない。

ずっと長いこと、僕の人生は消化試合だ。僕のための人生は、既に終わっているという感覚が強い。

最近26歳になった。また性懲りもなく1年も生きてしまった。誰にも望まれていないし、僕でさえも望んでいないけれど。

ただ、死ぬよりはエネルギーを使わないから生きている。


別に何かを伝えたいわけではないし、言いたいことがまとまっているわけでもない。

ただ、思い出すんだ、毎日のように。未来の不安に苛まれるよりもずっと、ずっと、僕は過去に囚われている。

僕は、変わりたかった。でも変われなかった。その事実だけがいまも僕を囚え続けて、離してくれない。

あのとき、どうするべきだったのだろうか。わからない、本当に何もわからない。

僕にできることはそれしかなかったはずだ、と言い聞かせる。ただその結果、僕は僕を閉じ込めてしまったと反論される。

どう表現するのが適切なのかわからないけれど、まるで冷凍保存したみたいに、僕のホントのトコロはずっと凍りついたままだ。解凍しようとすると、すぐに誰かが拒否する。僕にも制御できない。

だから見て見ないふりをし続けている。

変わらない僕を、変われない僕を、赦してほしい。でも誰に赦されたいのか、わからない。


季節は春から夏に向かっている。

あぁそうか。また夏がやってくる。また。

止まった腕時計は、また今年も動かない。

君の話

君の話