Diary over Finite Fields

515ひかるの日記と雑文

陛下のお気持ち表明で考えたこと。

陛下がお気持ちを表明された。今回のビデオメッセージを見て感動したので記事にする。

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もとより譲位*1するか否かと話題になったときにはあまりこの問題には関心はなかったのだけれど、今回の「お気持ち表明」で変わった。

注意

感動した勢いで書いたので不正確なことや不適切なことを書いたかもしれません。


陛下は、本気だ。

ご存知のように、陛下に限らず皇室に方々は政治に関連する主張などはできない。それは憲法で規定されていることだ。しかしその妥当性は今回の件だけでも十分認識できて、政治的な発言は今回のお気持ち表明にはなかったにも関わらず、陛下のお気持ちを受けて下手すると宮内庁や国政が動き出しかねない事態になっている。これほど影響力のあるお方が自由に政治的な発言ができてしまったら、それは民主主義が成り立たなくなってしまうだろう。しかし、お気持ちの文章の中にもあったように、陛下はそのことをよくわかっている。それでも発言されたということを重く受け止めなければならない。

それほどまでに、現行の天皇制度は危ういのだ。天皇が一時的にでも仕事ができなくなるとどのような影響があるのか。その影響に対する対処法は何か。仮に未成年の者が天皇にならなくてはいけない状況に陥った時のことを考えて設計されているのか。病気や体力などを理由に陛下が公務を執行できなくなったときのことを考えて設計されているのか。

このような「エラー処理」が明確に設定されていないのが現行の皇室のシステムなのではないか。もちろん実際にはきちんと設計されているのかもしれない。しかし現行システムでは少なくとも「譲位」をするシステムさえもないのである。

陛下はおそらく、このお気持ち表明で国民的な議論を呼びかけることにしたのだ。すなわち、我々の象徴たる天皇を、日本の平和と安寧の象徴たる天皇を支えるシステムを一度考え直すべきであると。設計し直すべきであると。過去の制度の復活(摂政や譲位など)といった焼き直しでなく、これからの日本を支えていくための皇室制度の設計を求めているのだ。これは日本の問題であり、他国民の介入の余地は一切ない。日本国民ひとりひとりが考えなければならない問題だ。

何より、陛下が日本の未来を真剣に考えておられることがよくわかった。今までも、これからも天皇が我々日本国民を支え続けていくために最適な制度とは何かをきちんと考えてくださっているのだ。改めて、敬意を表したい。本当にありがとうございます。

*1:生前退位という言い方は死を強く意識させる表現であるので、あまり好ましくないとある人が言っていた。その人はあまり好きではないけれど、この点に関してだけ言えば正しいと思ったので私も生前退位という表現は避けようと思う。