Diary over Finite Fields

515ひかるの日記と雑文

卒業研究がひと区切りついた

Dirichlet の定理の証明をフォローしました.

Dirichlet の定理

まず密度を定義する.*1 {A} を素数の部分集合とするとき, 密度とは, 実数 {s > 1}{1} に近づくとき, 次の式が

{
\begin{align}
\frac{\sum_{p\in A}p^{-s}}{\sum_{p}p^{-s}} \approx \frac{\sum_{p\in A}p^{-s}}{\log(\frac{1}{s-1})}
\end{align}
}

へと近づいていくが, この {s \to 1} の極限が存在するとき, それを密度という. 密度は存在すれば {0} 以上 {1} 以下である.

この密度のもとで, Dirichlet の定理の主張を述べよう.

{a, m} を互いに素な素数とする. このとき, {p \equiv a \pmod m} を満たす素数 {p} の密度は存在し, {1/\phi(m)} に等しい. ここで, {\phi} は Euler の関数である.

たとえば, {a=3, m=4} でやれば, その密度は {1/\phi(4)=1/2}. つまり素数のうち "だいたい半分" が 4 でわって 3 余るわけです. 同じくらい 4 でわって 1 あまる素数があります. 要するに条件を満たす合同方程式の解となるような素数が "だいたい平等に" 分布していることを示すのがこの定理です. 素数ってなんとなくランダムに分布しているような気がするわけですけど, 剰余をとって考えれば分布は均等なわけです. 不思議ですね…はい. そんなに不思議でもない? そう......

今後の予定

卒業研究のだいたいの方針が決まりました.

おそらくは Hasse–Minkowski の定理(の特別な場合) から 2 次形式が整数解を持つための必要十分条件(Lagrange の定理)を導く, くらいのことをテーマにして発表しようかと思っています. かなり駆け足にはなるでしょうが. {p} 進数になれるためにもこれを頑張ろうかと.

しかし, 最近来年以降何をするのかをてきとーじゃなく真面目に考えないといけない雰囲気が出てきた. どうしようかなぁ.

*1:これは確率のようなものであるが, 完全加法性を満たさないので確率そのものではない.