Diary over Finite Fields

515ひかるの日記と雑文

きっと誰もが恋をする, 恋恋蓮歩の演習

どうでもいいこだわりがある. 私は文庫本なりコミックなりラノベなり, 裏表紙に書いてあるあらすじは本文を読み終わってから読む. 私は物語を先入観を持って読みたくないからだ. これは映画でも一切前情報を調べたりせずに観るし, なんでもそうだ. 私自身は作品についてここに書いたりもするが, それは自分が触れた時にどう思ったのかを記録しておきたいだけであって, 基本的に私は 「○○が面白い」 以外の他人の感想はあまり聞かないようにしている. 読むときは実際に自分が作品に触れた後に他人の感想に触れることにしている.

たとえばブログ記事であれば, 記事の中心になっている作品はその事実だけでその人にとってそのなんらかの価値がある作品なのだとわかるし, それ以上の情報は本質的には不要であるというのが私の考えだ.

だから, この記事を読んでいる僕ではないあなた, この記事を読む前によければこの作品を読んで欲しい. いや, できればこの V シリーズの前作品をすべて, いや S&M シリーズからすべて読んで欲しい*1. そんなように思う. でも少なくとも, 記事の末に挙げる V シリーズの作品だけでも読んでからこの作品を読んで欲しい. もちろん, 本文のあとで裏表紙を見て欲しい*2. 『恋恋蓮歩の演習』 である.

恋恋蓮歩の演習 (講談社文庫)

恋恋蓮歩の演習 (講談社文庫)

  • 作者:森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/07/15
  • メディア: 文庫

美しい恋, 美しい物語

それは美しい恋の話だし, あるいは本当に冷静で理性的な物語かもしれない. 少なくとも, 普通の恋愛小説ではないがしかしこれは恋の話であり愛の話である.

どこまでも, 私は彼に騙されていた. 彼は最初に私を騙すと告げていたような気がするのだが*3, いつの間にか私は彼を信頼してしまって, 完全に騙されていた.

これ以上の言葉はない.

私はこのブログにはあまりネタバレを書きたくないのでこれくらいにしておきたい. 今は比較的興奮状態にあるので何を書くかわからない.

躍動するキャラクタ

少しずつ各キャラクタの本質が見えてきた. 否, 今まではわざと描かれなかったのだろう. 多分.

この作品はどこか常に謎がつきまとう. 終わっているのに終わっていないような, なんか終わった感じがしないような. それはきっとこの愉快なキャラクタたちがまだ描かれていないからなんだろう. きっとまだまだ僕らを楽しませてくれるんだろう. そう, この作品恋恋蓮歩の演習は序幕の自己紹介を終え, 本編第一部と言ったところなのかもしれない.

ざっとひとこと

面白い. 一瞬だけ, もう一度恋をしたくなった.

V シリーズ

黒猫の三角 (講談社文庫)

黒猫の三角 (講談社文庫)

  • 作者:森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/07/16
  • メディア: 文庫

人形式モナリザ Shape of Things Human (講談社文庫)

人形式モナリザ Shape of Things Human (講談社文庫)

  • 作者:森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/11/15
  • メディア: 文庫

月は幽咽のデバイス (講談社文庫)

月は幽咽のデバイス (講談社文庫)

  • 作者:森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2003/03/14
  • メディア: 文庫

夢・出逢い・魔性 (講談社文庫)

夢・出逢い・魔性 (講談社文庫)

  • 作者:森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2003/07/15
  • メディア: 文庫

魔剣天翔 Cockpit on Knife Edge (講談社文庫)

魔剣天翔 Cockpit on Knife Edge (講談社文庫)

  • 作者:森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2003/11/14
  • メディア: 文庫

*1:さすがに酷か.

*2:本来本などどのように読んでも読者の自由なのだが, なんとなくこの作品には愛着のようなものを感じてしまう.

*3:明確に書かれていたのか私がそんな雰囲気を感じたのかは定かではない