Diary over Finite Fields

515ひかるの日記と雑文

秋の夜に想う。

気が付いたら秋になっていた。

バイト帰りの夜、 人が活動するには少し遅く、 街が寝静まるには少し早い時間あたり。 いつのまにか厚手のパーカーも暑いと感じなくなって、 それどころか風を通さないためには少し力不足で、 夏という季節が本当に終わったと感じる、 そんな夜。

もう少し過ごすと、 いやでも冬になる。

毎年毎年、 特に好きでもないのに飽きることもなく、 四季を思うことを繰り返す。 年末が見えてくると時が過ぎるのは早いと愚痴る。

10年前の僕なら、 来る新年に思いを馳せていたろう。 いまの僕には、 もうそんな気概はない。

人は変わらない、 という会話を少し前にした。 実際には変わらないんじゃない、 変わらないことを求めているのだ、 無意識のうちに。 今のまま、 安定した生活をなんて無意識に。

僕は、 変わらないことも安定も別に好みではない。 毎日何かが違って欲しい、 毎日何かを変えていきたい。 朝起きる時間だって、 家に帰る時間だって、 毎日違ったっていい。 似たような毎日を繰り返すのは嫌いだ。

いまでもその気持ちはある。 でも、 もう歳なんだろうか、 少しだけ安定を求める気持ちもわかってきた。

明日も明後日も、 朝同じ時間に起きて、 同じように出勤し、 似たような時間に家に帰り、 いつも通りの活動をしていつもの時間に寝る。 そんな生活、 少しだけ憧れる。

毎日が違うだけで不安に襲われる。
毎日が一緒だと、 安心できる。 それはもちろん幻想だ。 不安も安心も幻想にすぎない。

しかし、 心の平穏ほど価値のあるものもまた少ない。 いまの生活は、 安心を投げ捨ててでも過ごしたい毎日なのだろうか。

僕はあともう何年、 若く居られるだろう。